リフォームで一番大事なこと!!建物調査ってどんな調査?

目次

建物調査とは?

※イメージ

ここではリフォームをするうえで一番大事な建物調査について話をします。

建物調査は文字通り、

建物が今どういう状態かを知るための調査です

この調査を最初に怠ると、後々大変になります。

例えば、床下の調査を怠り、下地は交換しない内容で工事に臨んだ時、実際 解体をしてみると、シロアリの被害があり、木材に食害被害が出ていたとします。

工事中にこの事実が発覚し、交換をしようとした時に、追加料金が発生し、資金計画が崩れてしまったりすることがあります

普段見ることのない床下や屋根、そして今の耐震の基準に対してご自宅がどれくらいの強さなのかを数値化できる耐震診断など建物調査はとても重要な調査になります。

ここでは建物調査とはどんな調査をするのか解説してきます。

建物調査の内容

  1. 用途地域チェック
  2. 内部調査
  3. 床下調査
  4. 屋根調査
  5. 耐震診断
  6. 土地・建物などの登記情報の確認

用途地域チェック

用途地域とは、

用途地域(ようとちいき)とは、都市計画法地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的としている。住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、第一種低層住居専用地域など13種類がある。

Wikipedia より

とどのつまり、建物が建っている地域が13種類に分けて定められているので、ご自宅はどの地域に属しているか?

を確認します。

ちなみにこの13種類です。

  1. 第一種低層住居専用地域
  2. 第二種低層住居専用地域
  3. 第一種中高層住居専用地域
  4. 第二種中高層住居専用地域
  5. 第一種住居地域
  6. 第二種住居地域
  7. 準住居地域
  8. 田園住居地域
  9. 近隣商業地域
  10. 商業地域
  11. 準工業地域
  12. 工業地域
  13. 工業専用地域

ちなみにこの中でもまたさらに細かく分けられている地区がありますがここでは割愛します。

地域を判断した後、いろいろな面をみますが、一番大きいところでいうと、

  • 建蔽率
  • 容積率

以上 2点を確認します。

建蔽率とは?

建蔽率とは簡単に言うと、

敷地(建物が建っている敷地)の広さに対して、建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合のことを言います。

建蔽率は用途地域それぞれに定められています。

多いのは敷地に対して50%や60%などです。

例えば敷地面積200㎡だった場合で用途地域で定められている建蔽率が60%であれば、

120㎡までの建築面積の建物しか建築は出来ません。

容積率

建蔽率は、敷地に面して真上から見た場合の建築面積です。

それに変わり、容積率とは

敷地(建物が立っている土地)の広さに対して延床面積(建物全ての面積)の割合のことを言います。

大体は敷地に対して200%と定められていることが多いです。

土地が狭いなら、3階建や4階建などにして階数を増やして部屋数を物理的に増やすことがありますが、

それはあくまで容積率の範囲内で建っています。

リフォームにどう関係あるの?新築の話じゃないの?

こう思われる方多いと思います。

これがリフォームにどう関係あるのかと言うと、

昔からある建物は、家族構成が変わることに増築を繰り返している家が多いのが現状です。

小さな増築を繰り返すうちに、建蔽率をオーバーしてしまった建物があったりします

この建物を違反建築物と呼びます。

定められている建蔽率をオーバーして違反しているということです。

その場合はリフォーム工事をするうえで、出来ることと出来ないことが出てきます。

むしろ、現状 違反しているので適法な状態に戻さないといけない場合もあります。

どういうことかというと、せっかく増築している部分を、撤去しないといけないと言うことです(是正工事と呼びます)

この部分は、建物調査を終えたあと、登記情報や、建築計画概要書などを使用しこちらで確認しますのでお客様から見える部分ではないのですがここを怠ると最終的にお客様に責任が帰属しますので業者側としてはキッチリと調べないといけない項目です。

内部調査

※イメージ

内部調査とは

  • 間取り・モジュールの確認
  • 外部の確認 排水経路(汚水・雨水)、外壁などの状態、ブロック塀などの状態
  • 内部の表面的な仕上げの老朽化の確認(床のたわみ、壁のクロスの割れ、天井へ雨漏れ跡の有無)
  • 柱・床の傾きの確認

全てではないですが、内部調査では上記3項目が一番大事だと思います。

間取りの確認

間取りの確認とは、文字通りです。

今のご自宅の図面を現地で図りながら図面へ記入し、平面図を作成します

モジュールとは簡単に言うと柱がどれくらいの間隔で立っているのかを調べます。

大体 柱と柱の間は910mm955mm985mmなどある程度決まっています。

最近の新築は910mmが多いですが、築年数が古い家は955mm、985mmが多かったりします。

京間(きょうま)や中京間(ちゅうきょうま)という単語を聞かれたことがあるかもしてませんが

簡単に言うとそれです。

また、全ては書ききれませんが、ざっくり他にはこのような点を確認します。

  • 玄関や窓などのサッシ関係の動作確認
  • 水回りの水を流し、配管漏れや、水への混入物がないか確認
  • タイルに浮きがないか打診棒で確認

今後のリフォーム計画を進めるうえで最も重要な図面になりますので、しっかりと確認をして作成していきます。

外部の確認

建物の外回りの確認です。

外壁の劣化や、塗装の劣化などを確認するのはもちろん、

水回りの排水がどのような経路になっているかを確認します。

下水道に繋がっているのか、浄化槽へ繋がっているのか。浄化槽であれば単独なのか、合併なのか?を確認していきます

またブロック塀なども併せて確認します。

ブロックの高さは適切か?控え壁は適切な位置に設置されているか?などです。

内部の表面的な仕上げの確認

床のたわみなどがあるかどうかや、床鳴りがしないかどうか?床材へ色褪せがないか?

壁・天井のクロスに剥がれがないか?割れがないか?

天井へ過去または現在の雨漏れ後はないか?

こういった目に見える劣化があるかどうかを平面図を作成する時に併せて部屋を回りながら確認していきます

柱・床などの傾きの確認

これ結構大事です。

建物は基本的には絶対に傾くものです。

その傾きが少ないか大きいかです。

ビー玉が転がるなんて聞くことがありますがそれは体感も出来るほど傾いているということです。

レーザー墨出し機と呼ばれる器材を使用し、傾きがどれくらいあるのかを確認していきます。

表現としては ◯/1000mm で表します。

例えば、1/1000であれば、1メートルで1mmの傾きがあると言うことです。

3/1000未満であれば既存住宅では問題はないと言えます。

6/1000以上ある場合は、少し傾きが大きいと言えます。

この傾きが大きいと、既存の床に新しい床を重ね貼りしてリフォームをしようとすると、

床の傾きが大きいほど、仕上がりに影響が出ます。

床下調査

※イメージ

床下の調査です。実際に床下に潜り、基礎の状態やシロアリの被害の有無などを調べていきます。

詳しくはこちらで解説しています

床下の調査は建物調査をするうえで最も大切と言っても良い項目です。

なぜなら、家を支える一番大事な部分だからです。床下の調査をせず、リフォームの話は始まりません。

後述する耐震診断でも基礎の位置がとても重要になってくるきますので調査項目としては必須です。

屋根調査

※イメージ

屋根調査は、屋根の状態の確認を行います。

少し前までは、実際に屋根業者が屋根に登って歩いて確認をしていましたが、最近は事故による安全意識が高まり規制が厳しくなったこともあり、ドローンを飛ばして空から空撮をするようになりました。

空撮で屋根材の割れや欠け、欠落がないかなどを確認したり、屋根と壁の際の部分の雨仕舞い(雨漏れしないようになっているか?)が適切かを確認していきます。

詳しくはこちらをご覧ください

また家の真上からの空撮になるので屋根形状などもわかりやすく、工事計画が立てやすいメリットもあります。

屋根調査を怠ってしまうと、内部調査の時に表面的な雨漏れが確認されていなかったとしても、

実際は雨漏れが発生しており、工事中に解体をしてみると木材が腐っていて修繕工事が追加で発生してしまうことがあります

屋根工事は追加費用としてはとても大きい金額になります。数十万単位〜100万以上の金額で追加が発生するため、

注意しておいた方が良いでしょう。

耐震診断

※イメージ

耐震診断とは、既存の建物が今の耐震基準に対してどれくらいの強さを持っているかを数値で確認することです。

また、強さの数値化だけでなく、建物の間取りを入力したうえで、バランスも併せて確認できます。

実は、強さの数値より、このバランスがとても大事になってきます。

というのも、耐震基準とは大きな地震がくるたびに改正が重ねられていますので、

既存の住宅が今の基準で考えた時に今より強いなんてことはありえません。悪いのが当たり前です

それよりもバランスをしっかりと確認したほうがいいです。

建物のバランスが悪いと、小さい地震で大きく建物が揺れてしまいます

詳しくは別途記事で説明します。

南海トラフ地震がいつくるかわからない状況で、リフォームで耐震工事をする需要がとても高まっています。

耐震工事をするうえで、どういった判断基準で耐震工事をしてくのかがとても重要になってきます。

過去の実績数などでのノウハウがあるかどうかもしっかりと確認しておきましょう。

土地・建物など登記情報の確認

意外と、土地や建物が今 誰の名義になっているか?と質問されると答えられない方がいます。

これはリフォームだけに関わらず、名義が誰になっているかはしっかりと確認をしておいたほうがいいです。

いざ調べてみると、今住んでいる方ではなく、すでに亡くなっているお祖父様だったり、ひいお祖父様だったりする家が

少なくありません。

相続時に名義は変えているものと思われがちですがしっかりと手続きをしないと名義変更はされません。

一度確認をしてみてください。

この名義変更ですが、亡くなられた方の名義がそのままになっている方は、早めに今の持ち主へ名義変更をしておいたほうがいいです。

というのも、遅くなればなるほど名義変更が大変になります。

亡くなられているお祖父様の名義のままだった場合、その家を相続することができる相続人全員に、

名義変更を承諾してもらう書類が必要になります。

代が変わることにこの相続人は枝割れし、人数がとても多くなります。

面識はないけど遠い親戚ってパターンがありますよね?その人たち一人一人に会いにいくか、コンタクトを取り、

事情を説明し書類へサインをもらう必要があります。

近くへその人たちが集まっていればいいですが、中には県外へいらっしゃる方や、海外へいらっしゃる方もいるでしょう。

気づいた時に早めに対応することが大事です。

こういったケースが少なくないため、建物調査の際には登記を確認することにしています。

過去にこういったケースがあったようです。

過去の出来事

お施主様:現在 家を継いで住んでいる(お姉さんが結婚され県外へ在住)

建物名義:すでに亡くなられているお施主様のお父様

家族内で話はできているからと、名義変更はしないで、お父様名義のままお施主様支払いのうえ、

いざ工事に着手をして完成したのちの出来事です。

お姉様がリフォームした家は私にも相続権利があるからきれいになった家の半分の権利をもらう。と

家族間で話ができておらず、揉めたそうです。

その後、お施主様が折れて半分の権利を譲ったそうです。

この件があってから私たちは工事着手の前に、名義を変更しない場合は、相続権利人全員に承諾書をもらうようにしました

私の親戚は大丈夫だ。と皆様は言います。

ほぼその通りだと思います。この例は稀です。

ですがあり得ないことではありません。

相続の問題は、実際その時になってみないと人の本音は現れません。

まとめ

いかがでしたか?

リフォーム前に建物調査をすることがどれだけ大事かわかっていただけたと思います。

もし私の拙い文章で重要性が伝わらなかったのであれば、精進します。

リフォームで、間取りをどうしようとか、キッチンはどんな感じにしようかとか、

楽しく考えてもらうことは確かに大事ですが、それよりも先に、まずはご自宅の状況を正しく把握をすることが、

リフォームの本当の第一歩です。

建物調査を行うときはしっかりと見てもらい、現状を分かりやすく説明してもらいましょう。

問題解決したらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次